蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第194章 エースの涙 21
雅紀&潤
風山寮45号室 合宿二日目
雅紀side
俺ね良く
「周りの事をよく見ろ!」
って言われるんだけどね
昨日さ翔ちゃんと、二宮と大野微妙な空気流れてたでしょ?ちゃんと気付いてんだよね
でさ潤先輩に
雅紀「潤先輩、俺、潤先輩と話がしたいんです。今夜潤先輩の部屋に行っても良いですか?」
って
潤「翔と二宮と大野が、合宿所抜けるんだぞ? さすがに俺とお前が抜けたらまずいだろ?明日で良いか?話」
至極真っ当なこと言われちゃってさ
雅紀「潤先輩?翔ちゃんの事良いの?」
潤「どういう意味だよ?」
雅紀「さあ」
潤「お前には叶わなぇな……俺さ野球部の強い高校とかでレギュラー取る自信がなくて……新しい学校でならレギュラー取れるんじゃねぇか?とか、甘い考えでこの高校を選んだんだけどさ。対外試合が出来ない程部員数が足りないしで……でも去年、相葉と翔が入学してき来てくれて、ちょっと後悔してた俺に野球への情熱をさ、二人が蘇らせてくれたんだよ。けどさ……俺、翔を守ってあげられなかった……橋本から」
雅紀「潤先輩……」
潤「去年の夏、橋本が翔を襲った時すげぇ悔しくて辛くて。一方的にあいつが翔にライバル意識燃やして。思慕を募らせて……今井監督が翔をエースにしたのも副キャプテンにしたのも実力からじゃんか。翔、辛かったはずなのに野球部辞めないでいてくれたのが嬉しくて……二宮と大野が入部して来て翔に笑顔が戻った瞬間、あー良かったって……」
俺ね、潤先輩さ、翔ちゃんに淡い恋心を抱いてたんじゃないか?って思ってんだよね。けど橋本先輩が一方的な想いから翔ちゃんにひどい事をした時にこれ以上翔ちゃんを傷つけたり混乱させない為に想いを封印して……
雅紀「潤先輩。潤先輩こそ辛い思いをしましたよね?俺先輩が弱ってる時に卑怯だなって思うんですけど……俺も想いを隠すのもう限界って言うか……俺潤先輩が好きです。俺と付き合ってくれませんか?」
潤side
ビックリした……相葉の告白
けれど男同士だからとかそういう感情より
ずっと相葉の明るさに救われてたんだって
潤「いつも俺、相葉の明るさに救われてたんだ。だから野球も続けられたし……これからは少しずつ相葉の事知っていきたいと思う」
雅紀「潤先輩……」