蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第188章 エースの涙 15
診察の後、明日もう1度検査して、明後日に手術が決まった櫻井先輩
翔ちゃんが、俺達に病室に入っても良いって。言ったとかで入室させて貰ったのはいいけど…… その姿を見て、俺はもう苦しくて切なくて、やるせない。凄い複雑な気持ちになったんだ
ベッドの上膝を抱えて顔を埋め、小刻みに肩を揺らして声も出さず泣いている翔…… 俺は翔の為にしてあげられる事は何だろう?って。思ったんだ
こんな時、軽々しい言葉言うのが一番最悪な事だってオイラ思うけど、櫻井先輩に何て声をかけてあげれば良いか見当もつかなくて。自分自身がすげぇ情けなかった
翔「みんな心配かけてごめん。入ってって言いながら、俺がこんなじゃ…… 俺は大丈夫だから。もうね、次に自分自身が何をしたいか考え始めたから心配しないで」
櫻井先輩……おもむろに膝から顔を上げたと思ったら…… 何でそんなに人に気を使っちゃったりすんだよ?そんな真っ赤な目をしてさ。表情だって……
和也「櫻井先輩。それがあなたの優しさだって分かってるよ?でもさ。櫻井先輩、俺達に想いをぶつけて来たって誰も…… そうやって、自分の中で納得させようってしちゃってる方が…… 俺達辛いんですよ?」
俺って、こんな事櫻井先輩に言っちゃって。 謝ろうって思って口開こうとしたら
翔「俺、兄貴が親父の仕事を引き継ぐんだから俺まで、会社に入る事ないじゃん。って。ずっと親父と仲悪くてさ。風山高校に入った条件が 一つでも物事を極めて、頂点に立つ事だったんだけど。俺の出来る事野球ぐらいで、次何を極め様かって悩んでるんだよ」
潤(まぁ、基本ポジティブな翔なら、次の事考えるのもありかな?って思うけど……)
雅紀(翔ちゃん、野球どころか。勉強だって毎回テスト一位なのに。それってさ。頂点極めてるって言わない?)
って、松本先輩と、相葉先輩。俺と大野さんに小声で言って来たんだけど
って、松本先輩と、相葉先輩。オイラと二宮に小声で言って来たんだけど
和也「櫻井先輩、本当にそう思ってんだろうね? 嫌味とかそうじゃなくてさ。オチャメだよね(小声)
智「櫻井先輩って、見た目は真面目なのにな? とかさ……ギャップがマタいい感じだよね?」(小声)
意外にも、ギスギスした感じには空気にならないで何故かマッタリしてたら
ノックの音が聞こえて