蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第159章 秘密の館の秘密の住人 9
翌日 午後14:00 少し前
翔「あ、雅紀くんと、約束したんだった!」
は、いいけど……
何回も、ここから出入りしているけど……
ハッキリ言って…… 高い所が苦手な僕には
翔「うー、怖いなぁ」
けど…… 会えない時は、二週間位会えない事もあったし……
僕は、ベッド脇の、小さな箪笥の引き出しを開けて、小さな鍵を取り出すと
翔「いつか落っこちそう……」
なんか…… 最近一人言が増えたなぁ。 何て思いながら、ある場所を開けて
階下へ続く薄暗い階段を降りて、ある物を確認すると
雅紀くんと、潤さんの離れに……
自然と足取りが軽くなるのは、仕方ないと思うんだよね?
ー村のとある場所ー
雅紀「あ! 翔ちゃーん!」
なっ! 雅紀くん
でっかい声でっ
「はは。雅紀くんは(笑)。翔ちゃんこんにちは」
翔「こんにちは」
こんな、僕にも優しい村人達……
皆が『お屋敷』と呼んでいる家の、地下の通路を五分くらい? 進むと、同じ敷地内に建っている『離れ』と呼ばれている家に通じる階段下に着くんだけど……
階段を上った先、雅紀くんと、潤さんの家の台所に
翔「何度来ても慣れないや……」
僕が来る時は、台所の出入り口の床板を、ズラしておいてくれるんだけどね
二人共、いない時もある訳で、なんか無断で 人様の家に入る。っていうのが…… なんとなくね? 凄く胸がドキドキするんだ
現に、今日だって
台所の机の上に、置かれた紙には
『村のいつもの所で待っているからね』
って、雅紀くんらしい、力強い毛筆で書かれた文字の手紙が置いてあったしね
離れから外へ出て……
小高い丘の上。二軒だけ、その存在感を示すように立っているお館と、少し小さな離れ
お屋敷から丘を下り、進んだ先に村があるんだけど……
そこで
雅紀「あ! 翔ちゃーん!」
って、雅紀くんに呼ばれた訳