蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第670章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2-9
休日 同じ日の午後
智side
大野家リビング
チョコレートケーキを食べながらマッタリと談笑中
朱美《あけみ》「智? きちんとアパート掃除してるわよね?」
智「してるから。大丈夫だって!」
朱莉《しゅり》「服とか、私物はお母さんに買ってもらっていたアンタが、ケーキを買って実家に帰ってくるわ。パティシエとしての腕も上がっているわで、変われば変わるものねぇ!」
智「姉ちゃん……誉めてんの? 貶《けな》してんの? 可愛くしないと瑛士《えいじ》さんに愛想尽かされるかんな ……」
朱莉「余計なお世話ですぅ。でも、本当ホント美味しいわ!」
智「姉ちゃん……てか、せっかく翔ちゃんが来てくれたってのに辞めてくれない?」
ホントにもうっ。
焦って翔ちゃんを見ると、必死に肩を震わせ笑いを堪えているの。翔ちゃん。
颯史《そうし》「櫻井さん、智は自分の好きな事にはトコトンのめり込むタイプだから、違う世界を選んだ時に大丈夫なんだろうか? と危惧していたんです。人生を豊かに過ごして欲しいのにって……貴方に出逢い、パティシエの道に入り、生き生きしているのを見て安心しました。これからも智を宜しくお願いします」
智「父ちゃん……」