第669章  涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2-8

　休日 午前中 (フリージア連休)

　和也side

　二宮家リビング


　チーズケーキを食べながらマッタリと談笑中。


　和乃《かずの》「カズ？　きちんとアパート掃除してるの？」

　和也「してるって!」

　璃子《りこ》「アンタは甘い物余り好きじゃないのに、パティシエになるとか言い出すから、何か起きるんじゃないかって思ったけど。腕上げたわねぇ」

　和也「姉ちゃん……ホントその性格なんとかしろよ…… 可愛くしないと、一《はじめ》さんに嫌われるぞ ……」

　璃子「余計なお世話ですぅ。でも、本当ホント美味いわよ!　」

　和也「姉ちゃん……てか、せっかく翔ちゃんが来てくれたってのに辞めてくれよ!」

　ホントにもうっ。


　焦って翔ちゃんを見ると、必死に肩を震わせ笑いを堪えている翔ちゃんが。



　透《とおる》『櫻井さん、和也は器用過ぎて……どの世界でも生きては生けるだろうけど、本当の意味で人生を豊かに過ごせないんじゃないか？　って、思っていたんです。貴方に出逢い、パティシエの道に入り、生き生きしているのを見て安心しました。これからも和也を宜しくお願いします』

　和也「父さん……」