蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第668章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2-7
その日の夜
翔のアパート
翔side
-コンコン-
夕飯の支度中に……
(なんか嫌な予感……)
コンロの火を止め、覗き窓から来客を確認すると。
(やっぱりだ。)
-ガチャ-
智『こんばんは、翔ちゃん』
和也『お邪魔しても良いですか? 翔ちゃん』
(NO……お邪魔させない選択肢はアリですか?)
とは、言える勇気はなく。
部屋に招き入れる。
カズとサトに襲撃されて……
(飯食い損ねた……)
アレ? 何かデジャブ?
智『翔センセと、オイラ』
和也『翔センセと、俺』
和也.智『運命の相手ですね!』
って、何を、俺思いだしてんだよっ。
心落ち着かせる為、深呼吸して。
ローテーブルの奥の方、それぞれの"定位置"に座ってるサトと、カズの手前に(キッチンに近い位置)腰を下ろすと。
和也「翔ちゃん? 夕食作ってたんだよね?」
翔「え? まぁ……」
智「オイラ達も夕飯まだなんだよね」
翔「図々しい奴らだな……」
智.和也「ハハハ、ゴメンなさい!」
呆れつつキッチンへ向かい、作っていた物の最後の仕上げに掛かる事に。
和也.智side
智「なぁ? デジャブ……」(ヒソヒソ)
和也「うん、デジャブ……」(ヒソヒソ)
(翔ちゃんの行動がさ。不自然。)
出来上がった料理をテーブルに並べた翔ちゃん。腰を下ろしたのに悪いけど。
和也.智「ビールとか、飲みたいな……なんて……」
翔「あ、たく……」
チョッと翔ちゃん、ムッとしたよね? 自分達で取りに行くべきなのにね。ここは心を鬼にして。
(ごめんね翔ちゃん。)
翔ちゃんが冷蔵庫からビールを取り出して、 振り向いたタイミングで。