蝶よ花よ〈甘い蜜に誘われて〉(気象系.信号トリオ.BL )
第665章 涼やかな風.美しき優しい華(花)たちへ 2-4
翔のアパート
翔side
仕事終わりに、四人から話があると言われて。
話ってのは、俺の最近の行動や様子についてだろうな。って……
明日は定休日だし、飲みながら話をするかな。
とりあえずウィスキーと、缶ビールと簡単なつまみを用意して席に付けば、四人の恐ろしく深刻な表情が……
お酒の準備しながら視線を感じていたけどさ。ふむ……
翔「心配してくれてんでしょ? きちんと話さない俺が悪かったんだよね。ゴメン。ケーキを作って売るだけではお店は成り立たないじゃん。経理にさ、営業だって必要だって思ったんだ」
「どうしたの? 何があったの?」
そう聞かれる前に先手を打つと。
智.和也.雅紀.潤「営業……」
翔「そう。営業。フリージアを軌道に乗せるにはどうしたらゃ良いかなって考えてたらさ、営業の方に力を注ぎたいって思ったんだよね」
潤「営業って例えば?」
雅紀side
潤がそう聞いて。
翔が営業の大切さを本気で訴えてるんだな。って感じつつ、やはりどこかで、他の理由もあるんじゃないか。って思いも捨てきれずにいるのを、俺だけじゃない、潤、和也さん、智さんも同じ思いなんだろうなって。
翔「例えば、ある児童養護施設では、子供達に月に二回位ケーキを食べさせてあげたいと希望しているんだ。それをフリージアで作って届ける」
潤side
翔は、俺達が思う以上に深く考えてたんだ。
和也「ケーキがおやつに出てきたら子供達は、喜ぶでしょうね」
和也さんの言葉に、雅紀にぃ、智さん、俺も頷いて。
翔「ただ、ケーキを作って届けるんじゃ無くて。アレルギーのある子供達にも、対応出来るようにしたいんだ」