第19章 月花
夜のしじまに、口づけの水音が響く。
「ん、んんっ……」
此処が外であるという事を忘れたかのような、貪るような熱い口づけ。
唇を離すと唾液が糸を引く。
光秀はさえりの耳を甘噛みし、耳たぶを食む。そこから唇を這わせ首筋を辿り、襟元をずらして強く吸う。
「ふ、うぅ……んん……あっ」
さえりの肌に紅い花びらが舞う。
「本物の花より、綺麗だ」
耳元で光秀が囁く。耳に息がかかる。
「ん……光秀様……」
さえりは恥ずかしさと照れくささに吐息を漏らす。
光秀はさえりの着物の袷をはだけさせた。乳房が晒される。満月の光は思ったよりも明るく、夜でもその姿をはっきりと浮かび上がらせる。
「や、恥ずかしい……」
此処での行為を許容したものの、やはり恥ずかしいようだ。
光秀の手は乳房を揉みしだき、その頂きにあるピンと立ち上がった突起を両方とも摘まむ。
「あんっ」
身体がビクリと反応し、光秀にもたれ掛かる形になる。
「足を開け」
裾を捲り光秀が指示を出す。さえりは恥ずかしそうにしながらも、指示に従いゆっくりと足を開く。
光秀の指が伸びてきて秘豆を探り当て、円を描くように優しく刺激し始めた。
「ん……んふ、んん……」
さえりは花冠で縛られた手首を持ち上げ、口許を押さえ声を抑えようとする。すると胸を弄んでいた方の手が伸び、さえりの手首を掴んで口から外させた。
「あっ、光秀様……あんっ……声、が……」
「お前の声を聞かせろ」
「でも……はあっ、誰か、来るかも……ああっ」
「来ないさ。皆、俺達が此処に居ることを知っているんだ。想像はするかもしれないがな。来たとしても見せつけてやればいい」
「い、いやぁ……意地悪……」
羞恥で泣きそうになるさえり。光秀は満足気に笑みを浮かべる。
勿論、さえりのこの姿を他の者に見せる気は更々ない。さえりの泣き顔を見るためだけの発言だ。
俺に捕まったのが運のツキだ
光秀は心底愉しそうにさえりを見つめる。さえりの表情は羞恥と快感の狭間で揺れており、光秀の目にはとても美しく映っていた。