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きつねづき ~番外編~
第15章 欲しいもの
さえりはせっせと手を動かし、光秀に贈るための羽織を縫っていた。
白を基調として薄縹色のグラデーションが美しい、光秀に似合いそうな羽織。
「喜んでくれるかな……?」
光秀は仕事で他国へ赴いており、もうひと月以上も安土を離れていた。
寂しさを紛らわすためと、光秀を驚かすために縫い始めた。ひと針ひと針、想いを込めて丁寧に縫っていく。
もうすぐ、光秀さんが帰ってくる
さえりは心を浮き立たせながらも、光秀の帰りに間に合うように、一心不乱に手を動かし続けた。
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