第25章 ただいま
やがて秀吉が舞い終わり、深々と礼をするとその場は拍手喝采に包まれた。
光秀はその隙に手を伸ばし、さえりの尻をなで回す。
「きゃ……!」
小さく悲鳴をあげたさえりが光秀を睨んだ。構わず撫で続けていると、その頬に徐々に赤みが差してくる。さえりの中に熱が灯り始めたようだ。
「顔が赤いぞ」
「誰の性ですか……」
手を離すと、温もりを求めて少し切なそうな瞳が向けられる。本当にさえりは分かりやすくて可愛らしい。
光秀はさえりの頭をそっと撫でた。
「後でゆっくり可愛がってやるから、そんな残念そうな顔をするな」
「もう! 意地悪……!」
図星をつかれ、そっぽを向くさえりは耳まで赤い。
今宵は、どうやって啼かせてやろう?
夜はまだ長い
光秀は宴の喧騒を聞きながら、暫く後に来るであろうさえりとの大切な時間をどう過ごすか、思案を巡らすのだった。