第4章 冬の黄葉
さて、兄さまと一緒に紅山を後にした私が当面の目標とした事といえば、
兄さまの解毒!
である。
腱がズタボロの足は、この世界の技術ではどうにもならないかもしれないが、毒は、この世界で作られたものだ。
多分、解毒可能。
とは言っても、のんびりとはしていられない。毒は身体に染み込んでしまうから。
旺季さまの屋敷の本を漁り、取り敢えず進行を抑える薬は出来た。
自分で試しつつ、兄さまの食事にこっそりと混ぜている。
でもそれは時間稼ぎに過ぎない。
本格的な勉強が必要だ。
と焦っていたところにその出会いはあった。