第6章 ✼弟切草✼
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謙信様が私を忘れてしまった時、芝姫様の言葉が頭に響いた。
──謙信様を不幸にしてるのは自分だっていい加減気付いてよ!弱くて何も出来ないくせに。結局貴方も伊勢姫と変わらないのね
私が謙信様を不幸にしてしまうというのなら
──やめろ。もう……女とは関わりたくない
今の謙信様が、まだ伊勢姫との過去に苦しんでいるなら
私はただ傍で見守っていよう。
大丈夫。謙信様はきっと私を思い出してくれる。
例えもう一生私を思い出さなくても、近くで彼の未来を見ていたい。
今の私には、これが最善の方法だった。
それでも再び貴方の近くに行けるなら…………
また私に恋をしてくれるだろうか。
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