第13章 ✼碇草✼
「はい…っ…んんっ…ぁっ…!」
「っ……」
結の爪が背中に立てられる。
結は普段出来るだけ爪を立てるまいとしているが、今日はそれを考える余裕すら無いようだ。
(この痛みさえ愛おしい。もっとつけてくれ……結)
生きているのを実感できるのは俺も同じこと。
結の中は熱く、俺が動くたびに狭くなる。
くっついていれば心臓の音が聞こえて、熱い吐息が耳を掠める。
「やあっ……!!」
下から突き上げると、小さな体を震わせて甘美な声をあげる。
「達していい」
「あっ、ぁ……!!」
達した結はぐったりとしながらも、潤んだ瞳でこちらを見つめてくる。
頬に口づけると、汗と涙が混じったような味がした。
俺自身も限界が近づいてきて、結の中に入ったまま再度腰を動かす。
「ああんっ!けんし、さまっ……」
「はあっ……結っ…」
結は中を締め付けながら自分で体を動かして快感を求めてくる。
辛うじて残っている理性をかき集めて、思いっきり腰を振りたい気持ちを抑え込んだ。
「くっ……!出すぞ、結…!」
「あぁ……————!!」
大きな快感に襲われ、再び達した結の中に白濁を注ぎ込む。その中は、結の息遣いと同時に波打っている。
「体は大丈夫か?」
「は、い……」