第13章 ✼碇草✼
§ 謙信Side §
一度はまってしまえば、抜け出せない。
蜘蛛の巣のように絡め取られて、閉じ込められる。
気づいた時には既にそうなっていた。
結は無自覚だろうけれど。
「んんっ.......ああんっ.......!」
「くっ.............」
結の中は、暫くしていなかったせいか先を入れるだけで俺の物を締め付けてくる。
「結…っ……あまり締めるな…っ…」
気を抜くと自分が先に達してしまいそうな程の中は、入った瞬間俺の物へと形を変えてゆく。
「や…っ、けん、し……様っ…」
「お前の中は俺の形を覚えているようだが……?」
「っ……」
結はその目に涙をためて両手を広げてくる。
それに応えるように結の体を抱き締めると、結は泣き出してしまった。
「結……?」
「ごめんなさっ……謙信様がちゃんとここに居ると思うと…っ…」
「……色々な事があったからな」
二人で乗り越えて来たとはいえ、ここまで色々な事があると結も常に不安だったのだろう。
俺も、つい数日前考えたことがる。
今隣で寝ている結は本当に結なのだろうか。
一度は現代に連れ戻され、俺も記憶を失い、自分で命を絶とうとした結。
隣にいると分かっていても、その目に姿を映していても、夢ではないかと思ってしまった。
大丈夫だ、と言うと、結はじゃれるように俺の首筋に唇を寄せた。
「結……少し、くすぐったい」
「謙信様、可愛い」
「俺に可愛いと言うのはお前だけだ。それに…」
抱き合ったまま腰を揺らすと、結は甘美な声をあげた。
「あ…っ!んんっ…!」
「結の方が可愛い」
「あんっ!やあっ……なか、あついっ…!」
「俺が生きていると実感できるだろう?」