第13章 ✼碇草✼
§ 結Side §
「んあっ.......!!ああっ.......」
胸を舐める舌のざらざらとした感触が懐かしい。
謙信様に触れられている幸せで、敏感になった体はすぐに反応してしまう。
(声、抑えられない.............)
今私を抱いているのは、ずっと触れてほしいと思っていた謙信様で、私の夫で。
そう考えると、自然と声が漏れてしまう。
口を抑えようとすると、その手は畳に縫い付けられてしまった。
「お願いだ、聞かせてくれ。全てでお前を感じたい」
どうしてそんな切なそうな目で見るの.......。
最後に抱かれたのが何か月前だったかなんて、もう覚えていない。それくらい久しぶりだった。
「指も入れていないのにこんなに濡らして.......悪い子だな」
「あっ.......!きもち.......です....っ.......!」
久しぶりでも、私の中は勝手に謙信様の指を覚えていて、謙信様も私の良い所をすぐに探り当てて責めてくる。
「良いな、その声。滾る」
「ぁ…っ!そこ……!」
細くて長い指は奥まで届き、敏感な部分を撫で上げた。
指を抜き差ししながら、空いている手で胸を愛撫してくる。
謙信様が少し指を動かしただけで、淫らな水音が鳴る。
私は今どれだけ蜜を溢れさせているのだろうか。恥ずかしい。
でも、謙信様は指に着いた蜜を舐めとって言う。
「甘いな」
「.......っ」
糸を引きながら、指を舐める謙信様は官能的で色っぽい。
こんなにも綺麗な人が欲情して抱くのは私だけ.......目の前の光景全てが私だけのもので、私だけの謙信様。
「結、いいか。お前が欲しい」
愛おしげに見つめられて、導かれるままその言葉を口にした。
「はい.......謙信様を感じさせてください」