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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第11章 ✼薺✼



「っ……」


ごめんね、と一言いいたいのに、凛の涙を見ると自分も泣いてしまいそうになる。

すると、謙信様が優しく頭を撫でてくれた。


「結を遠くに連れて行ってしまうこと、本当に申し訳ないと思っている」


「っ…謙信様……?」


「だが俺も結が居ないと生きていけん。だから、必ずこの世の誰よりも幸せにすると誓おう」


「本当に、ですか?世界一ですよ?」


凛も、謙信様に答えるように涙を拭きながら言葉を紡いだ。


「ああ。約束しよう。結のために泣いてくれてありがとう。行こうか、結」


「……はい。元気でね、凛」


それから私が踵を返す直前、凛は「幸せになってね」と言いながら笑ってくれた。


「良い友を持ったな」


「……ありがとうございます」


「だが先程の言葉は見過ごせない。帰ったらじっくり聞かせてもらおう」


「うっ……」


見過ごせないと言いつつも、謙信様の表情は穏やかだ。


(まあ……実際あの時の告白は断ってるしやましい事も無いしね)


「謙信様、結さん。あとの時間は二人でゆっくり過ごして」


「いいの?」


「勿論。それに今日は——でしょ?」


「っ、うん……!ありがとう…!謙信様、見せたいものがあるんです」


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