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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第10章 ✼(黄)水仙✼



またこの男は何を言い出すのか。


「実は明日朝と夜の二回ワームホールが出現する予定なんです」


「そんな事があるのか」


「俺も驚いて調べてみたんですけど、やっぱり明日出るみたいです」


「一度目のワームホールで現代に行って、二度目で帰って来るって事……?」


「そう。ほぼ確実にここと500年後が繋がってるからちゃんと帰ってこられるはずだよ」


結の居た世界……
前から少し気になってはいた。戦も無ければ剣を持つことも無い。そんな所が本当にあるのか……と。


「謙信様は見てみたいですか?私の住んでいた所」


結が、俺の様子を窺うように顔を覗き込んでくる。

正直、見てみたい。結の事なら何でも知っておきたい。
だが、一つ心配があった。
元居たところに戻れば、そこが恋しくなってしまうのではないか。

俺の事を愛してくれているとはいえ、故郷を捨てるのはそんなに簡単な事ではない。
それがここより遥に平和な世なれば尚更だ。


「あぁ……見てみたいな。だが……お前はそれで苦しまないか?」


正直に聞くと、結は何のことですか?と首をかしげた。


「私は謙信様に現代の事も知ってもらいたいです」


結は時に、俺の不安を何でもないように笑う。


(俺が過保護すぎるのか?)


なにはともあれ、俺は結と佐助と共に現代へ行くことになった。




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