第9章 ✼赤熊百合✼
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謙信様へ
謙信様が、もし私の事を思い出してくれたら渡してくださいと景持くんにこの手紙を託しました。
でもきっと謙信様がこの手紙を読むことは無いでしょう。
だからここに書くのはただの私の独り言です。
最後まで傍に居る事が出来なくてごめんなさい。
貴方に辛い思いをさせてしまって、貴方から逃げてしまってごめんなさい。
私はもう謙信様のお傍に居る事は出来ないけど、ずっと貴方の幸せを願っています。
私が作った服も見てくれましたか?
これは「たきしーど」といって私のいた時代では特別な日には必ず着る物なんです。
いつかまた、愛する人を見つけられて、その人と祝言を挙げる時に着て欲しいな……なんて、過ぎた願いですね。
謙信様が幸せを見つけられますように。
愛しています。
結
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