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〘上杉謙信R18〙色褪せぬ愛を紡ごう

第9章 ✼赤熊百合✼



思えば、ちゃんと信長様の目を見るのも久しぶりだ。
吸い込まれるこうな瞳に見つめられただけで、一筋の涙が頬を伝った。


「結」


信長様の腕が伸びてくる。
優しく頭を撫でられて暖かい温もりに包まれても、身体に力が入らず信長様の背中に手を回すことも出来ない。

ただ、涙だけは止めどなく溢れてきた。


「辛かったであろう。だが俺はお前を見殺しにする気などさらさらない」


「のぶ、ながさま……」


「頼む。もう二度と自らの命を断ち切ろうとするな」


「あんたが何をしても俺が死なせない」


きっとこれからも私は死んでしまいたいと思うだろう。
すぐに元気になることなどできないだろう。

だけど、天守閣から見える月をもう少しだけ見ていたくて、私は小さく頷いた。


「はい……ごめんなさい……信長様、家康、ありがとうございます」






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