• テキストサイズ

オサナナガール

第4章 オレンジ色の



隅「じゃあ、ここで。」


翔「送るよ」


隅「ううん、ここがいい。

急いで帰れば暗くならないうちに帰れるから大丈夫。」


翔「そっ、か。」


隅「うん。

…じゃあ、バイバイ、翔。


1回名前で読んでみたかったの。

最後だから、許してね。」


一人の足音がまた聞こえて段々遠くなっていく。


盗み聞きするつもりはなかったんだけど、
聞いちゃったものはしょうがない。


聞く限りでは、いい雰囲気、という感じではないことは
バカなあたしでもよくわかった。


どうしても翔の表情が気になって、
せっかく死角を選んだのに下の方をギリギリ覗ける所に移動して、こっそりと見てみた。


翔はなんとも言えない真剣な顔で
隅野さんが通ったであろう階段の下の方を見て動かなかった。



しばらくしてまた足音が聞こえて、
また下の方を覗くと翔はそこにはもういなかった。
/ 63ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp