第4章 オレンジ色の
相「まだ開いててよかったね。」
「うん、助かった!あたしめざまし持ってないから、携帯なかったら明日絶対遅刻しt「(静かに!)」
いきなり口を抑えられて、壁側に寄せられた。
ガラにもなくドギマギしてしまう。
「(あ、ごめん!)」と小声で言ってすぐに離してくれた。
そしてあれ、と教室のドアの窓の部分を指さした。
そっと中を覗く。
「...!!」
中には翔と、その彼女の隅野さん。
さっきまでカフェで一緒だったふたり。
もうすっかり夕暮れで、窓から西日が差し込んでいる。
オレンジに染まる教室で、ふたりがキスをしているのがはっきりとわかる。
まるで映画のワンシーンみたいだ。