第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
加州「・・俺は堀川や一期一振のように前の主とか、よく分からないけど。でも今の主のことは他の刀剣男士の誰よりも見てきたつもり」
だから・・。
加州「主はどんな状況でも・・・アンタのことを想っていたよ」
一期一振「・・・だから、会いたくはなかった」(ボソッ)
加州「・・・え?」
一期一振「主と会えば、もう私はあの頃のように側近ではいられない・・」
最後に自分が下した決断。
一期一振「加州さん。なぜ政府は存在しない大阪城の地下を黙認していると思いますか?」
加州「えっ?」
一期一振「主が何と戦っているのか。何を目的としているのか。不思議に思ったことはありませんか?」
加州「そんなの歴史修正主義者から歴史を守るために決まってんじゃ・・――」
過去に主が私に問うた課題。
“ 考えなさい、一期一振 ”
それまで人の世に憂うことはあっても、入り込もうなどと思うことはなかった。
だけど主は刀剣に心を与え、考えろと仰った。
一期一振「・・・真偽の分からない歴史の何を守るんですか?」
堀川「・・・ッ」
歴史書物が常に真実を記しているとか限らない。
一期一振「・・なぜ時間遡行軍が国から産まれた人以上の数いるのに対し、審神者と刀剣男士には歴史の混乱を防ぐためにその介入方法も数も制限されているのでしょうか」
ひとつを考えると、当たり前だと気に留めなかった認識が全てが崩れていく。
紙に記されただけの歴史など、権力者の手で都合よく改変されていても不思議ではない。
加州「そ、それは・・・」
私達は良くも悪くも権力者の“欲”を知っている。
時の政府もヒトの属する組織なら、光と闇があり全てのヒトが同じ思想を持つことは有り得ない。
もし同じ思想を持っていたとしても、手段が違えば道も違える。
一期一振「・・・本当に歴史から淘汰されようとしているのは、こちら側の可能性だってあるんです」
動揺している加州の奥に、美しく舞う主の姿が見える。