第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
一期一振「なぜ、そこまで肩入れするんですか?」
堀川「んー・・、肩入れっていうと少し違うんだけど。でも、僕が一番適任だったっていう表現のほうが正しいかな」
穏やかな口調のまま、堀川が困ったように顔をしかめる。
堀川「・・それに今回の記憶の継続は不完全だったんです。主さんも、僕も。記憶を完全に移行出来なかった。・・・貴方が筋書きにないことをしたせいで」
表情とは裏腹に、堀川から鋭い殺気がたちこめる。
一期一振「・・・ほお。それでは私のしたことも少しは成果があった、ということですな」
己の行動がどんな結果になっているのだろうと想いをはせていたけれど、主の様子を見る限りは悪くなかった。
堀川「どうして僕たちの邪魔をするんですか」
天井を見ると、闘志の渦が絡み合うように部屋を覆っている。
(・・・だいぶ結界が出来上がってきたな)
完全に結界が仕上がるまで話をしないつもりだったけれど、主より制限がこちらまで届かないのは何度も探って分かったことだ。
一期一振「邪魔、とは心外ですね。私はいつでも主の身を一番に案じているのに・・」
それに――。
一期一振「私からすれば、主を苦しめているのは貴方のほうです」
キィイイン!!!
堀川「~~ッ!!」
太刀の重い一撃を堀川が受け止めると、苦しそうに顔を歪めた。
刀剣を握った手に力がこもる。
一期一振「・・貴方が主の指示に忠実すぎるが故に、主は投げ出すことも幸せを願うことさえも逃げ出すことも出来なかった。主の身を守るはずの脇差が、鞘を忘れて主を刺していた・・なんて見れたものじゃないでしょう?」
堀川「そっそんなことは--・・」
睨み合うように刀を交えた横から、聞き覚えのある声が突然近づいてきた。
加州「・・はーい、二振り共しっかり避けてねー!!!」
ジュパンッ!!
一期一振「ーーッ!?」
堀川「か、加州さん!?」(ビックリ)
加州清光の声で、一期一振と堀川が咄嗟に体を離す。
加州「あ~あ、避けられちゃったか」
飄々とした態度で、加州がこちらへ振り返る。
加州「ま。当たってても困るんだけどね?」(ニヤリ)