第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
加州「・・・・・変だな」(ボソッ)
予想だと開戦と同時に一期一振は何かしら動くと予想していた。
でも実際にはを見つめた後、こちらの攻撃をいなすだけでほぼ動きがない。
鶴丸「加州、やはりお前もそう思うか?」
加州「鶴丸・・。先陣好きのあんたが後方にくるなんて珍しいね、なんかあった?」
鶴丸「俺の知っている一期一振と随分違っているなと思ってなあ」
加州「鯰尾から聞いてると優しい弟想いのお兄ちゃんって感じだったけど」
正直、今の所その印象はあまりない。
弟たちから圧倒的な信頼を得てるのはわかるけど、感情を読み取れない一期一振のことが薄気味悪いとすら感じる。
加州「・・いまいち、何考えてるか分かんないよね」
鶴丸「うーん。それが妙なんだよなぁ~」
加州「妙って?」
鶴丸「一期一振は俺が知る限り、優しいやつなんだ。特に弟たちには過保護と言ってもいいほどに」
加州「へぇ・・」
鶴丸「そんな奴が弟たちを守りもせずにいるっていうのがどうも薄気味悪くてなあ・・・。さっき独断で奇襲を仕掛けてみた」(エッヘン)
加州「いちおー隊長の俺にそれ、言っちゃうわけ?」(ハァ‥)
鶴丸「まぁまぁ。でも驚くことがそれで分かったんだ。一期一振はーーー」
加州「・・・え?」
一期一振「・・・・・・」
先程の鶴丸国永の攻撃。
視覚外から突かれたせいで一瞬反応が遅れてしまった。
(あの一撃できっと気づかれてしまったな・・・)
遅かれ早かれ、己が動けば知られるのは分かりきっていた。
弟たちが傷つけられたくはないが、守られてしまうことによって彼らの成長の妨げになっては意味をなさない。
弟たちも随分強くなっている。
今はそれを信じよう。
堀川「やっぱり動かれないんですね、一期一振さん」
一期一振「・・・・今回も記憶を継続している、か」
堀川「はい。お久しぶりです。一期一振さん」
様々な思惑で見つめられた瞳の中で、堀川国広は誰よりも達観した眼差しでこちらを観察していた。
そして私の知る限り、いつも主と一定の距離を保っていた。
一番近くで主に仕えていた私でさえも、見逃してしまうくらいに。
それはきっと和泉守兼定も同様だったのだろう。