第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
鯰尾「もちろん俺も本丸の皆と一緒に戦いますからねっ主」(ニコッ)
「・・え?でもそれじゃ――」
鯰尾「いち兄がなに考えてるのか俺にはよく分からないけどさ、でもいち兄も主も俺たちに対して心配しすぎるくらい過保護なの知ってるから」
そう言うと、鯰尾はゆっくりと引き出した刀身を握りしめて、先を見つめる。
鯰尾「そのいち兄と主が決めたことを、俺は信じます。それが最良だって、思うから。それは向こうにいる兄弟たちも俺と同じだって、もう分かってますから!」
本当は粟田口の皆と戦うことなんて、したくないのは分かってる。
それでも私達と共に居てくれるという鯰尾の想いは、とても尊いものだと思った。
「ありがとう、鯰尾」
周りを見ると、粟田口の子たちも鯰尾と同じように不安げな顔つきをしている子もいるけど、その瞳は真っ直ぐ揺らぎなく前を見つめている。
(本当はいろいろ聞きたいこともあるんだろう・・・鯰尾も・・・そしてここにいる皆がそう思っている)
それを黙って見守ってくれていることも分かってた。
“前の私”が彼らに何かを語ったとは到底思えない。
話すことが最善かどうかは分からない。
でも、今の自分が分かっていることを誠意を持って話すことが出来るなら。
一期一振が用意してくれた今しかない。
「・・・加州」
加州「ん、なに?」
「指揮は任せるよ」
加州「・・・りょーかい」(フッ)
「皆も、私が指示するまでしっかりと戦い抜くように」
全員「「はいっ!」」
懐から取り出した翁を手に添え、静かに瞳を閉じる。
舞を終えるまでは一切の雑念は無しだ。
結界を貼り終えたそのあと、
私はすべてを話そう。