第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
粟田口の気配が強いこの場所なら、時の政府からの目も届きにくい。
そう。
一期一振が言葉を濁してまで気にしていたのは“天”、つまりは“時の政府”――。
懐から扇を掲げると一期一振に向かって微笑む。
刀剣男士たちの戦い合う氣を利用すれば、少しの間だけ時の政府からも完全な目隠しが出来る。
その結界を張ることが出来るのは様々なモノを視ることが出来る審神者のみ。
(・・・そうだよね、一期一振)
私の微笑みを察したのか、一期一振がゆっくりと頷く。
(大丈夫。きっと間違ってない)
ざわつく心を抑えるように、本丸の皆へと体を向ける。
「みんな。私を信じて、戦ってほしい」
時の政府を警戒しているのなら、私は必然的に多くを語れない。
それは政府に属するものの定め。
“審神者の行動や発言は全て時の政府の監視対象である”
(・・これが上手くいけば、少しの間わたしは審神者から開放される・・)
果たしてそんなことが出来るのだろうか?
有り得ない。
でも・・。
もしも出来たら・・・・?
みんなに真実を告げれる最期のチャンスだ。
『 ホントウのコトを知ッテモ 誰も救ワレナイ ノニ ? 』
嫌でも脳裏にもうひとりの自分の思考が響く。
「・・・・」
数秒にも満たない思考の時間は、まるで判決を待つ罪人のようだった。
加州「・・・あ~、もう。なんて顔してんの、主」
「・・・え?」
優しい声色に、思わず顔を上げると
そこには優しく私を見つめる皆がいた。
安定「主を信じてるから、僕たちは此処には居るんでしょ!」
岩融「がははは!相手と刀を交えて分かることもあるだろう!」
燭台切「例え状況が分からなくても、僕らの主が常に最良の選択をしてくれているって知ってるよ」(ニッコリ)
今剣「ぼくだって、まだたたかえますからねっ!」
愛染「どうせならドーンと派手にいこうぜ!」
「みんな・・・」
加州「おーおー、みんなはりきちゃってんじゃん?ね、主」
「加州・・」