第8章 大阪城攻防戦 ~ 一期一振のキモチ ~ 上
「刀剣男士らしく、力比べをしましょう」
考えろ。
一期一振「ほぉ・・それで主たちが勝てば私たちは心身共に御仕えする、と。主はそう仰るのですか」
「そんな単純に仕えてくれるなら最初から、ややこしいことなんてしないでしょ?・・でも、私はなるべく穏便に貴方たちを仲間にしたい。だからまずは戦って主として力を示すのも有効だと判断した」
否。
本当は一期一振が戦闘を望んでいるからだ。
一期一振「極めたものもいる私達との戦いで、そちら側に勝機があるとは思えませんが・・」
「私達の本気を見てもらうんだから、上物に勝利をしてこそ意味があるのよ」
考えろ。
主を裏切る真似をして一期一振になんの意味がある?
互いに見つめ合う一期一振の瞳は、真っ直ぐに私を見据えている。
(哀しいほど、綺麗だ・・・)
たとえ心内が読めなくても、刀剣男士は皆純粋で美しい心を持っている。
一期一振「それが貴女の天命なのですね・・」
一期一振が自身の刀を抜き、天に掲げる。
加州「主っ」
すかさず加州が私をかばうように立ちふさがる。
だけど、私は一期一振の剣先を見つめながら加州の肩に手を添えるとそっとその行動をいなした。
(・・・・てん、めい)
らしくない大げさな動作を持って、一期一振が教えてくれた。
前世の私が何かを命じていた、とか。
そんな次元の話じゃない。
バラバラだったジグソーパズルが一気にはまっていくような感覚。
一期一振の指し示した天井には審神者だからこそ見える刀剣男士たちの気配が漂っている。
私達本丸の皆と粟田口が戦えばこの氣たちは渦巻くように交わるのだろう。
地下深くのこの大部屋は格好の隠れ蓑。
そして一期一振はそれを「存在するわけない」と言った。
正史にこだわる時の政府がその存在を黙認するはずがない。
ということは、黙認しなければいけない何かが此処にある。
(・・・・此処は粟田口の魂が近い)
彼らの歴史がそうさせているのか。
大阪城との因縁はそれほどまでに根深いのだろうか。
「・・・・私が手を出さなくても、うちの刀剣男士は強い」