第7章 大阪城攻防戦 ~逆心を宿すモノたち~
堀川「兼さん・・・」
和泉守「俺はなぁ・・・一期一振については分からなくもないんだ。本人がどう思おうが、護るものが多ければ多いほど上に立つモノは、一本杉のように真っ直ぐ立ってなきゃいけねぇ。上が少しでも歪めば下はもっと大きな歪みが生じちまう。・・だからアイツは歪むわけにはいかなかった。・・そうだろ?」
堀川「・・なにが言いたいの」(ジッ)
一期一振さんと兼さんとの関係は僕には分からない。
でも彼が主さんをとても慕っていたのは知っている。
(そしてそれは僕も同じで--)
和泉守「お前もアイツも、真面目すぎなんだよ。考えすぎて、一人で抱え込んで・・・見なくなっちまったんだ」
ザザッ
脳裏に昔のの言葉が過る。
『ねぇ次に私が転生したら、お願いしたいことがあるんだ』
堀川『・・またその話しですか、主さん』
『・・・だって、何度頼んでも堀川は頷いてくれないじゃない』
堀川『主さん。僕にだって出来ないことはあるんですよ?』
『こんなことは堀川にしか頼めない』
堀川『・・・・はぁ。ほんともう・・兼さんには内密にしてくださいね?』
『ありがとう・・堀川っ!』(ニコッ)
あのときの笑顔がとても無邪気に見えて、瞳をそらすことが出来なかった。
(主さんが、あのときのような顔で笑ってくれるなら・・・)
和泉守「こっちに来いよ、国広。そこはお前には辛いだけだろ」
――辛いだけだったら、迷いなんかしなかった。
堀川「・・・・兼さんの考えはだいたい理解はしてるつもり。だから僕は兼さんを止めなかったんだ」
主さんは兼さんを眩しい太陽のようだと言っていた。
兼さんの隣で笑っている僕を見るのが好きだと言ってくれた。
そして、僕に“行っておいで”と背中を押してくれた。
堀川「兼さんの隣に居られれば嬉しかったし、安心出来た。主さんのおかげで皆にも会えたし、寂しさを感じることもないくらいに、平和で穏やかな時間・・だったよ」
和泉守「でもそれは偽りの刻(トキ)だ」