第7章 大阪城攻防戦 ~逆心を宿すモノたち~
堀川「な、なんで兼さんが・・!」
脇差を抜いて、睨みつける眼差しを真っ直ぐに受け止めると和泉守兼定はまた可笑しそうに笑った。
和泉守「・・・あーぁ、俺だけしくじったとか格好つかねぇじゃねぇか」
堀川「なに、を・・ッ!!」
和泉守「見れば分かるだろ?」
山姥切「危ないっ!!」
キィイン!!
眼の前で山姥切が和泉守の刀を受け止める。
(兄弟・・っ)
痛む背中を我慢して立ち上がる。
(良かった。肩まではやられていない・・)
周りを見ると近くで同じようにうずくまる今剣と愛染の姿がある。
そしてそれ庇うように岩融と燭台切が守り立っている
(・・・機動力の高い僕や短刀を狙ったのか)
刀を振るうには狭い通路。
真正面から来る敵ばかりで油断をしていた。
ここは敵陣。
攻め込んでいる僕たちが一瞬でも油断をしてはいけなかったんだ。
和泉守「・・まぁこれで4対3。動ける数としては同格だ。そうだろ?長曽根、蜻蛉切」
長曽根「・・あぁ、そうだな」
蜻蛉切「予想通り、主は後方か」
燭台切「鶴さんじゃないけど・・これは驚いたね」
和泉守兼定、長曽祢虎徹、蜻蛉切の三振りが正面を塞ぐように立ちはだかった。
和泉守「正直、お前たちには何の恨みもないが・・俺たちには俺たちの都合ってもんがあってなぁ」
頭をぽりぽりと掻きながら少し気怠げに和泉守が話す。
燭台切「堀川くんは下がっていて」
堀川「えっ」
山姥切「戦いたくない相手と無理に対峙する必要はない」
戦いたくない相手・・。
その言葉に僕は再び兼さんを見る。
和泉守「・・・・」
こちらの様子を観察するように兼さんは笑っている。
この狭さだと太刀や薙刀は不利。
でもそれは相手も同じ。
きっと槍は合間を狙って一撃を繰り出すために後方にいる。
それに兼さんと長曽根さん相手なら僕たち兄弟で戦ったほうが小回りが利く。
堀川「燭台切さん、僕なら大丈夫で―――」
和泉守「お前はいつも頭で考え過ぎんだよ、国広」