第6章 濡れ羽色した少年のキモチ
=本丸:審神者の間=
加州「あるじ~・・?」
そっと開けた襖の向こうに求めていたの姿は無かった。
加州「おっかしいなぁ・・絶対部屋に戻ってると思ってたのに」
窓から穏やかな風が優しく髪を揺らす。
部屋の様子から察してたぶんは1ミリも部屋に戻ってはない。
(ここに居ないのなら何処に・・・)
加州「・・・蝶?」
ひらひらと窓から一匹の蝶が舞い降りる。
それに導かれるように、窓際に行くと少し離れた場所でと監査官らしき姿が見えた。
加州「なんでまたアイツと・・・」
気に入らない。
アイツがを助けた時、刀を持って対峙するその背中に嫉妬した。
《俺だって近くに居たら助けれたのに・・ッ》
そう心に呟いたけど、実際に俺が全力で駆けつけてもを護るには位置が遠すぎたのは事実で。
届かなかった手が、宙を泳ぐ一瞬の絶望は確かに俺の心に突き刺さった。
加州「・・・・っ」
それでも。
それでも俺は・・・っ。
の姿を求めて、気がついたら走り出してた。
=本丸:園庭=
加州「・・・・あるじっ!!」
「・・へ??加州?どしたの??」(キョトン)
驚いた顔をしたが俺を見る。
少し息の切れた呼吸を整え、乱れた髪を直すと俺は周りを見渡しながら言った。
加州「・・窓枠から見えたんだけど、監査官は?」
「え?あぁ・・もう行っちゃったよ」
加州「ふーん。そう」
素っ気ない声音になってしまったけど、が座っている川辺の木陰に腰をおろす。
ちらっとの顔を見ると特に気にしてないみたいで、いつものように話し始めた。
「下調べ用にもう一日突入日を増やせって交渉したら、『一日で終わらせることも出来ないのか?』って言われたよ」
加州「へぇ。それじゃあまた煽られたの?」
「・・ムカつくけど、私の扱いが分かってるよね」
加州「って単純だから、すーぐ喧嘩買っちゃうもんね」(クスクス)
「あ。それ加州が言っちゃう?」(フフッ)