第5章 せせらぎのキモチ
“伝えなくちゃ・・・”
鍛刀したときに堀川国広はずっと私にそう呼びかけていた。
“主さんに・・・伝えなくちゃ・・・”
考えろ。
彼はなにに不安を感じている?
伝えようとして口を閉ざすのはなぜ?
彼の心を和らげてあげられるような言葉は・・・?
??『さっすが国広だぜ!』
??『あはは!兼さん無茶苦茶だよ、僕じゃなかったら反応出来なかったよ!』
??『そりゃあ、お前なら分かってくれるって確信してたからな』
??『兼さん・・』
??『・・・オレはこんなこと認めねぇ!!!!!!』
「~~~ッ!?」
ハッとして顔を見上げた。
(今の光景は一体・・・!?)
「そんな、まさか・・・」
嫌な予感が心を抉る。
頭では否定したいのに心臓が認めるかのように跳ね上がり、止まらない。
(今の残像がもし事実だとするならば・・・ッ)
おかしいとは思っていた。
何度鍛刀しても靄がかかったように見えない刀剣男士たちがいることに。
粟田口の子たちが全く姿を現さないことに。
“審神者とは眠っている物の想い、心を目覚めさせ、自ら戦う力を与え、振るわせる、技を持つ者!”
つまりその逆は―――。
「・・・ッ!!」
眼の前が真っ暗になりそうな視界を無理やり手で覆う
。
山姥切「あるじ・・っ?!」
堀川「主さん・・・」
「私と対立している刀剣男士がいる・・・?」
恐る恐る出た言葉に片方は驚き、片方はまっすぐ私を見つめた。
堀川「・・・・はい」
堀川「僕は主から、貴女へ大切な・・意志を伝達しにきました」
ゆっくりと、
そして優しく風が流れるように、
自然に堀川の手が自身の腰へと動く。
は抱えた頭の髪と手の隙間から、その動作を見ていた。
(あぁ、だから内番の服に着替えていなかったのか・・・)
瞬時に理解したときに、真っ先にそんなことが脳裏に浮かんだ。
堀川が脇差を抜くと、
美しい色をした刀剣が、太陽の光を反射した。