第14章 再会
その声は知ってる。
かっちゃんをいじめた、サッカー部の奴等だった。
「事情を聞いたらどうしようもなくなってね……いわゆる罪滅ぼしって感じだよ」
先輩の言葉に男子は頷く。
「でも、何で、そんな……」
「その事情の内容が残酷なの。俺はコイツと良い感じになっておこうかなってなぁ」
良い感じってどういうことよ……?
先輩は私の頭を撫で、ニコリと微笑む。
その笑顔に私の胸が高鳴る。
そうだった。
私はこの笑顔が大好きなんだ。
今、自分にその笑顔が向けられるのは夢みたいなことだ。
「零、行ってらっしゃい。明日も行くから」
「あっ、はい!」
手を振って去って行く先輩に、私は全力の笑顔で手を振った。