第5章 メッセージ
かっちゃん、文面が優し過ぎる……。
やっとこの世界のことを理解してくれる人が現れてきたんだと思った。
少し羽目を外すだけで噂の的になり、悪口を言われ、生きにくくなる。
だけど、私は普通に生きていただけなのに。
何でこんなにも、生きてるだけで痛いの?
生きてるだけで、何でこんなに悪口を言われるんだろう。
去年、ずっと考えていたことだった。
私は久しぶりに日記に書き込んだ。
かっちゃんと入れ替わったって話を書くだけだ。
そして、あのノートを開いた。
何度も何度も書き直してはまた書いてを繰り返し、やっと完成させた。
スマホを手に取り、ヒロアカの動画を見る。
「カッコいいな……」
特に入れ替わりをしているかっちゃんがカッコ良く見えた。
今日は日曜日。休みで良かった。
ゆっくり読めるようにアラームの時間を早くしよう。
『アイツ、気持ち悪いほど狂ってなかった?』
もうサッカー部の人、とくにあの人のフォロワーには会いたくない。
そのことを振り払うように、ヒロアカの漫画を読んでいた。
「この世界にヒーローが居ればいいのになぁ……」