第5章 メッセージ
朝、目を覚ますと、自分の部屋ではなかった。
机には、見てくれと言わんばかりにノートが広げてあった。
俺はそのノートを手に取り、見てみた。
『初めまして、爆豪勝己さん。
私は松田零です。
慣れない世界に来て驚いているでしょう。
もしものために書いておきました。
私はまだ中学三年生になったばかり、高校生の勉強なんて当然知りません。
貴方は簡単過ぎて笑ってたと思います。
この世界は貴方が思ってる以上に厳しいところです。
まず、この世界で勝己さんの存在は何なのか。
人気アニメのキャラクターです。
『僕のヒーローアカデミア』というアニメの大事なキャラです。
主人公は出久ですけどね(笑)
残念ながら私が好きなキャラは出久です。
もちろん、勝己さんも轟君も気に入ってます。
だけど、まさか入れ替わるなんて思っていませんでした。
たぶん、この世界には私に酷いことを言ってくる人が多いでしょう。
気にしないで、こちらの生活を楽しんで下さい。
零より』
そのノートの表紙には『伝達用ノート』と書かれてあった。
俺は学校ということを思い出して、スマホを確認すると、土曜日だった。
休みで良かった……。