第4章 こんな日常の方が嫌
最近になってハマってきた部活の時間。
「零、今日は大丈夫だよね?」
「うん……」
「二次元と入れ替わりって憧れる……どこかの映画みたい」
まさか、苦手な部長が心配してくれるとは思っていなかった。
あそこまで暴れてたら心配するよね。
「昨日は、打てるわけねぇだろ!って言いながらちゃんと打ってたよね」
「かっちゃん、やったんだね……」
卓球なんて出来るはずがないのに頑張ってやろうとしたんだな。
卓球なんかやってるかっちゃんなんて想像出来ない。
いつも通り練習をしていた。
去年までと比べたら今年の部活は楽しい。
いろんな人と話せるようになった。
全部、ヒロアカのおかげだ。
ヒロアカを知ったから人生が楽しく思える。
そう思って、私は喜びを噛み締めていた。
「アイツ、気持ち悪いほど狂ってなかった?」
「爆豪勝己って、オタクかよ」
チラッと声をした方を見ると、サッカー部が居た。
しかも、あの先輩のフォロワーだ。
今日の部活は体育会で行っている。
だから、たくさんの部活の人が居るのだ。
よりによって、今は雨が降ってる。
どうして、生きてるだけでこんなに痛いの?
またかっちゃんと入れ替わりたい。
こんな日常の方が嫌だ。