第4章 こんな日常の方が嫌
授業は雄英のと比べれば簡単だと思った。
年齢がまず全然違うから、高校生のなんて分かるはずがない。
結局、出久に教えてもらったんだっけ。
休み時間も私達の会話に男子も集まる。
「綾香はかっちゃんと話せてどうだった?」
「やっぱりかっちゃんって感じだよ。クソとかぶっ殺すしか言わないよ」
「上鳴君とか切島君、すごく優しかったよ」
「えっ!私も入れ替わりたいよ~」
綾香が興奮して、私の肩を揺らす。
「焦凍もイケメンだったよ」
「私も目の前で見たかったよ!」
「出久は可愛い」
「デク君も良いよねぇ」
綾香は興奮を抑えるように大きく頷いた。
「雄英の食堂で何食べたの?」
「カレーだよ。出久のカツ丼見てたらあーんってカツ食べさせてもらった」
「おお!デク君にお願いしたの?」
「いや、自分から。逆にこっちが強制的に……」
「えぇ!?」
まさか、あの出久に強制的に食べさせられるとは思ってなかった。
「それから、上鳴君に唐揚げ、切島君にオムレツ、焦凍にそばを食べさせられたよ」
「えっ!切島君ってオムレツ食べるんだね。轟君にあーんは、無理……」
「死ぬかと思った……」
焦凍に食べさせられた時は死ぬかと思った。
あのイケメンスマイルで口に入れられたらヤバいよ。
そんな時に先生が入って来たので、みんなは静かに席に着いた。