第17章 さらば初恋
大きく目を見開いて固まる零。
「俺は何度も入れ替わって、お前の過去を知って……気付いたら好きになってたんだ」
いや、好きというより……。
「お前が愛しい」
どうしようもないくらいテメェが好きだ。
好きなんだよ。
「だけど、涼介に会って、俺は敵わねぇと思ったよ。クソカッコいいし、お前に想われてる」
「かっ……」
「好きだ!お前が好きなんだよ!」
俺はどうしていいか分からず、叫んだ。
「勝己……私は確かに先輩が好き。だけど、ヒロアカの中で一番好きなのはかっちゃんに変わったよ」
零はニコッと笑う。
「私はここ最近、勝己に何度も救われた。伝達用ノートを見るのが楽しみだった」
「零……」
「私は勝己に出会えて良かったよ!」
笑顔の零を見て、思わず泣きそうになった。
「勝己……」
「零、ごめんな」
俺は彼女の顎を持ち、唇を重ねた。
涼介、零、ごめんな。
最後は良い思い出で終わらせたいんだ。
唇を離すと、零は今にも泣きそうな顔をしていた。