第2章 二次元に生きる君へ
『アイツ、涼介のストーカーだって?気持ち悪い』
違う……。
『マジで消えてほしい。眼中に入れたくねぇわ』
何で……何でこうなってしまったのだろうか。
ただ、大好きな先輩に片想いをしていただけなのに。
普通に生きてるのに……。
たくさんの人に誤解される。
だけど、死んではいられない。
「零!」
大切な友達が居るからだ。
「昨日のヒロアカ見た?かっちゃんかっこ良かった!」
「だよね!かっこ良かった……」
綾香が朝から話し掛けて来てくれた。
私は綾香のおかげでヒロアカに出会えたんだ。
「おはよう、零ちゃん」
「あっ、おはよう」
挨拶して来たのは、どんな時もずっと隣に居てくれる親友の紗希だった。
この二人には感謝の気持ちでいっぱいだ。
当たり前のように退屈な授業を受けて、
当たり前のように友達と話す。
それがとても羨ましかったんだ。
今年になって、やっと叶ったんだ。
私は普通に生きてやるんだ。
大好きで大嫌いな貴方なんかもう興味無い。
まさか、私は憧れの場所へ行くと思っていなかった。