第1章 最低で最悪な出会い

(自分であんなことしときながら今更恥ずかしくなってきた…///)

｢あのような技術を持っていらっしゃるとはきっと殿方も喜ばれますよ。｣

ズキッ

(そうだったまた忘れそうになってたけどこれは公務なんだ。ジルとわたしはただの公務の上での付き合いなんだ。)

そう考えるとなぜか心が痛んだ。


｢では、本日の公務は終わりです。｣

(え、これでいいの？これでいいのってのもおかしいけど)


｢これで良いのかって顔をなさってますね。たしかに最後までするべきだったのでしょうが。あんなに素晴らしい技術をお持ちであるとは思いもしなかったので"今回は"なしです。｣

(そっか、そういうことなんだ。)

｢あ、それからお話しておりませんでしたがこの公務は他の候補の方々も知っておられますので。今回の報告も他の方々にも伝えますので、よろしくお願いしますね。｣

｢あ、それから…この公務はいつ行うなど決まりがないのでいつどこでどのような状況で行われるかは分かりませんので以後お見知り置きを。｣

｢嘘、でしょ？いつ襲われるか分からないってことなの！？｣

｢ええ、そういうことです。言ったはずですよ？これは"公務"だと。｣

一気に悲しみのどん底に引き落とされた。

｢では、私はこれで失礼致します。本日はお疲れ様でした。｣

1人になり涙が込み上げてきた。


｢うぅ…ひっく…そんなぁ…好きじゃない人とそれに他にもいるだなんて…ひっく…プリンセスになんてならなければ良かった…うぅ…うわぁぁぁ！！！｣

私はその日一晩中ベットで泣きじゃくっていた。