第6章 花火に込める思い
福沢side
私は今乱歩と一緒に夏祭りに来ている。
先程、くじ引きの屋台で「ねこかふぇ」の優待券が当たったから今度行こうと思う。
前の方に見覚えのある横顔が見えた。
「あれはユウリ?」
「何してるの?早く行こうよ。」
「あ、ああ」
乱歩に呼ばれて再び見たときはもう居なかった。
そういえば、二年前から乱歩の口からユウリの名前を聞いていないな。元気にしているだろうか。
広津side
解散した後、私は梶井殿と祭りを回っていた。
「梶井殿、それは流石にかけすぎてはないか?」
梶井殿はかき氷にこれでもかというほどの檸檬味のシロップをかけていた。
「大丈夫ですよ。生檸檬を100個も食べれる私にとってはこれはおやつ程度ですよ!」
「それ、檸檬味のかき氷というか只野檸檬シロップのジュースだと思いますが。」
「旨い!やはり檸檬は最高である!」
尾崎side
夏祭りなんて何年ぶりだろうか。
芥川と銀も二人で仲良くヨーヨー釣りをしておるし、Qも楽しそうで何より。
ユウリ達も夏祭りを堪能しておる。
こう見るとやはり彼らは年頃の子供でいいじゃのう。
紅葉は母親のような眼差しで彼らを見ていた。