第6章 花火に込める思い
私はあることを思い出した
「あっ、そうだ。あのね、二人とも花火がよく見える穴場スポット知ってるんだ。」
「じゃあ、そこに行くとしようか。」
「そうだな」
人混みから少し外れた林の中を歩いてくと階段が現れた。そこを上がると神社だった。
「治、花火が上がるまで後どのくらい?」
「もう少しだよ。てか、中也は小さいから花火が見えないんじゃない?」
治は中也の帽子を取った。
「あっ、おい!返せ!」
中也は一生懸命治から帽子を取り返そうとするが、避けられてしまって中々取れなかった。
「ぷっ、あはははは」
「!」
突然笑い出した私に驚いた治は一瞬動きを鈍らせた。その隙に中也は帽子を取り返した。
「本当に二人といると退屈しないよ。」
ドオン!!
花火がうち上がった。
「綺麗」
「うん」
「そうだな」
私は花火を見ながら二人の手を握り
「来年もその先も三人で見れると良いな♪」
「そうだな、来年も絶対来ようぜ!」
「任務が重ならないように祈っとくとしよう。中也は居なくても良いけど。」
「おい!」
「フフ」
花火が夏の夜空を彩っていった。