第5章 荒神は今
数分後
「凄い、流石羊の王と言われるだけあるね。全員倒しちゃったよ。治もちゃんと通信機から情報を得てるし。」
私は驚いて開いた口が塞がらなかった。
「てか、私要らなくね?何で森さんは見守ってろって言ったのかなぁ~?」
私は考えてもよくわからなかった。
「まぁいっか、見てると面白いし。先に例の場所に行ってよっと。」
私はその場から離れた。
ついた先は港の近くにある廃倉庫だった。
「ふぁ~。まだ時間あるし寝てよ。」
私は物陰に体を潜ませて寝た。
数時間後
ガッシャーン!!!
ビクッ!
「え?!何?!」
音がした方を見ると蘭堂と中也が居た。その後ろから治も出てきた。
「此で自殺願望との賭けは俺の勝ちだな。犯人はお前だ、蘭堂。俺の目からは逃れられない。あんたが嘘をついていたこと位とっくにお見通しだ。」
「はい、ストッープ!」
中也は後ろを振り返り太宰を睨んだ。
「手前!何でこんなところに要るんだよ。」
「言っておくけど犯人告発は僕の方が先だからね。今まさに犯行の説明をしている最中だったんだから。」
「最中だったってことはまだ終わってねぇんだよな。だったら俺の勝ちだ。」
「君の勝ちって言うのはあり得ないけど推理は聞いてあげるよ。何で蘭堂さんが犯人だと思った?」
「推理も何も奴の話を聞いていれば誰でも分かる。これまでの目撃証言に先代の爺さんを見たってばっかりだ。だがそいつはアラハバキ本体を見たって言った。」
中也は蘭堂に振り向き言った。
蘭堂は中也を見据えて
「神等とと言うものは存在から私が犯人だと考えた。そういうことだろう。」
「ちげぇよ、逆だよ」
「神が存在するからだよ。俺はそれを知っている。」
「君は知っているのか?」
「あんたも見たんだろ?八年前のあいつ。でなきゃ正確な姿を発言できるわけ無いからな。」
蘭堂は立ち上がり、
「中也君、ならば君は知っているのか、アラハバキが今何処に居るのか。教えてくれ。」