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二人のビー玉【文スト】[更新停止中]

第4章 太宰 中也 夏目 十五歳


中也は手を擦りながら
「この時期に寒いわけねぇだろう。ビビってるだけじゃねぇか?」

「あれでもポートマフィアの準幹部にして優秀な異能力者なんだよ。」

「どーでも良い。興味ねぇ」

治が痺れを切らして
「森さん、そろそろ本題に入ったら?」

「おー、そうだったね。中也君、我々ポートマフィアの傘下に入る気はないかね?」

「あ?」
其れを聞いた中也は怒り、異能力を発動させ自分が座っていた椅子とその周りを重力で破壊した。

「ま、そういう反応になるよね」
森と治とユウリは想定内という顔だった。

「然し、我々の目的はある程度一致している。お互いに提供出来るものを確かめ合ってからでも返答は遅くないと思うがね?」

中也は森を睨みながら
「お前達がこの街にしたことを忘れたとは言わせねえぞ」

「先代の暴走か」
「この街を長く暴脈と恐怖に陥れたあの豪勢は誰の記憶にも新しい。だが、その先代も死んだ。最後は私が看取った。もし、彼の血の豪勢が復活したなどの噂があるのならその真相を確かめなければ君達も不安じゃないかね?」

「「森さん?」」

「あんたに関しても良くない噂が出回ってるぜ。」
中也は森を見据えて

「本当は先代は病死ではなくあんたが殺したんじゃないかってな。たかが専属医に首領の座を譲るなんて遺言、信じられるわけないからな。」

「そうだよ。先代は私が殺した。」

「なっ!」

中也は森がアッサリと認めるとは思ってもなかったので目を見開いて驚愕した。

治とユウリは呆れて溜め息をついた。

「彼の偉大な先代の首領をこのメスで切断し、病死の様に偽装した。其れがどうかしたかね?」

中也は、なんとも言えない顔で
「マジかよ」と呟いた。

森は机にメスを差し、話を続けた。

「中也君、取り敢えず共同調査を申し出たい。我々が調べた先代復活の噂と君が追うアラハバキは明らかに同根の事件だ。情報を分け合うだけで互いに利ある結果をもたらすと思うんだがね?」



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