第4章 太宰 中也 夏目 十五歳
私は後ろから見ていて、中也が広津さんを圧倒しているのをヤバいなと思っていたが、広津さんが中也を捕まえた時は、流石と思った。
しかし、次の瞬間、中也は後ろに飛び退き、治は顔面から後ろに転がった。
治が立ち上がりながら
「やられたよ。広津さんが異能力を放つ前に蹴り飛ばされて手を放してしまった。あいつは自分の異能力でわざと後方に飛んだんだ。ダメージは無い。」
「めんどくせぇから手前は後だ。」
「行くぞ、爺さん!」
其れと同時に中也は壁を蹴った。
「広津さん!」
中也は広津さんを袋叩きにした。
「チッ!」
「信用がない訳ではないけど絶対こうなると思っていたんだよ!」
ダッ!
ガッ!
中也が広津さんに蹴りを入れる寸前で私は脚で止めた。
「あ?邪魔すんなよ。誰だよてめぇ?」
「ずっと後ろに居たんだけどねぇ」
「女かよ。邪魔するなら手加減しねぇぞ!」
「部下がやられているのに黙って見ていられるか。それに、女だからってなめんなよ!このガキが!」
其を聞いた中也は笑みを浮かべ
「じゃあ遠慮無くいかせてもらうぜ!」