上手な生き方【ONE PIECE・ロロノア・ゾロ】
第3章 行き場のない船旅
「おーい、大丈夫かァー?」
ルフィが眠る女の頬を容赦なくバシバシと叩くのをコビーが必死に止める
もし彼女が凶悪なアルビダのような海賊だったら_考えただけで悪寒がする
「ルフィさん、ちょ、ちょっと...!」
「起きねーなぁ~...息してるから、死んだ訳じゃなさそーだけど医者探した方がいいな」
「そうですねぇ...」
頬を叩かれて赤くなっているが、全く目を覚ます気配のないびしょ濡れの女
コビーはそばにあったタオルで申し訳程度に拭くと上から体が冷えない様、ブランケットを掛けた
「よし!コビー!やっと着いたぞ~~」
「ふぅ...色々あったけど、無事着きましたね」
やったー!とテンションが上がってお祭り騒ぎのルフィを横目にコビーは船で横たわる女を見る
(この人...船に置いていくのもなんだし、町のお医者さんに預けた方がいいのかなぁ)
外傷は無さそうだが、海で長時間漂流していたので、頭かなにかを打ったりしてるかもしれない
「ルフィさん、この人どうします?」
「どうするって、連れてくぞ~。こいつも何か見た目強そうだしなー!医者に連れてって、治ったら仲間にするぞ!」
ニシシ、と笑うルフィにコビーは肩を落とす
(あの"海賊狩りのゾロ"を仲間にしたいだとか、この人も仲間にするだとか_ルフィさんはホントに怖いもの知らずだ...)
トホホ、と苦笑いしていると、気づいたときにはルフィは女を担いで町の方へと歩いて行っていた
「あ!ルフィさん!待って下さいよぅ~」
「コビー、おせーぞー!何やってんだー!」
走っていくルフィを追いかけるコビー
彼の背中で女が目を覚ましたことなど、誰も知らない_