上手な生き方【ONE PIECE・ロロノア・ゾロ】
第3章 行き場のない船旅
女海賊、アルビダから船を手に入れたルフィとコビーは、”海賊狩りのゾロ”が捕まっているという、海賊基地のある町へ向かっていた
航海学など持ち合わせていないルフィにとって、コビーの航海技術はありがたいものだった
「ルフィさん、そろそろ着きますよ」
「本当だァ~!!島が見える!」
コビーのその声に、ルフィは興奮を隠しきれずどれどれ、と目の前の島を眺める
小舟の前に乗り出して、見えてきた島を指差すルフィはいち早く、その"漂流物"に気がついた
折れた木のそばに、"何か"が浮いている
「コビー、何か海に落ちてるぞー」
「海藻とかじゃないんですかぁ?どれ...」
不思議がったコビーがルフィの指差す方へ自前の双眼鏡を向ける
ムムム、と覗き込んでハッ、と息をのんだ
「ルルルルル、ルフィさんーーーー!!!あ、あ、あああれれれ!!」
「あ?何だったんだ?お化けか~?」
ルフィがコビーから双眼鏡を取り上げようとした時、その"漂流物"に大きな黒い影が迫っているのが見えた
大きく、黒い_まるでサメのような影
「た、大変です!!あれ、人ですよ!!」
「な、何ぃ!?ホントか!じゃあ助けねぇと!」
「あぁあ!!サメが~~!」
ルフィがうにょーーーん、と大きく手を伸ばしたのと、サメが漂流者に食いつこうとしたのは同時のことだった
コビーはもうだめだ...と手で目を覆っている
だが、間一髪のところでルフィが先に漂流者の服を掴んだ
「掴んだ!コビーーッ!キャッチしろォオオ!」
「えっ!?キャッチって、待ってくださ...!」
ザバザバと水の抵抗を受けながらも、彼の"ゴム"の威力とは凄まじいもので、思い切り引っ張ったパチンコのように漂流者をコビーの方へと放り投げた
「おい!二人とも無事かー?」
コビーは漂流者を抱えて、船の後ろの方で蹲っていた
「な、なんとか...」
へら、と笑ったコビーの腕の中にはぐったりとした女が眠っていた