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上手な生き方【ONE PIECE・ロロノア・ゾロ】

第4章 鬼の住処にいる蛙



縄をほどいてくれたらその辺の賞金首をぶっ殺して礼にくれるというゾロ


私は_はした金という程度の金額ではあるが、一応賞金首である
これはバレれば殺されてルフィに首を差し出され兼ねないな、と不意に口を噤んだ


「だ、ダメですよルフィさん!!あんな口車に乗っちゃ...!!縄を解いたとたんに僕らを殺して逃げるに決まってるんですから!!」

「殺されやしねぇよ、おれは強いからね」

「へェ...」


思わず、感嘆した

さもそれが当然のことであるように言い放つルフィ

彼は自分の強さを自負しているわけでもなく、過大評価している訳でもなさそう
どこか、それは真実だというように真っ直ぐ言い放たれたものだった


_ゾロの神経を逆撫でするような言葉ではあったけど



「ん?君...何して」

「お、お姉ちゃん...!しぃーっ」


不意に気配のした方を振り返ると、御丁寧に梯子をよじ登ってきた女の子が突然私の口を抑える

あまりに勢いついた拍子に女の子の指の一本がズボッと鼻の奥に入った


「いっ_イテッ」

「ワッハハハ!名前の今の顔おもしれーっ!なぁ、コビー見た?」

「そ、そんなこと言ってる場合じゃないですよ!二人とも、あの子止めてくださいよ!!殺されちゃいますよ!」


アワアワと慌てるコビーの指差す先には、先程の女の子がこそこそしながらゾロの方へと歩いて行くのが見えた

手の中には大事そうに何かが抱えられている


「殺されてぇのか...消えなチビ!!」


あのね、と言いながら女の子が取り出したのは歪ながらも綺麗に海苔が巻かれた美味しそうな丸いおにぎり


"はじめてだけど、一生懸命作った"


彼女の小さな体に見合わない大きな優しさに、不意に頬が緩んだ
だが_ゾロはその優しさを拒むように怒鳴り付ける



(さっき腹減ったって言ってたのになんで...)


その頑なな態度に疑問を感じていると、門の方から変な金髪が出てくる

後ろには二人の海軍がついていて、思わずギクッと肩が跳ねた


「ロロノア・ゾロォ!!いじめはいかんねェ親父に言うぞ」



「また変なのが出たな」

「親父に言うって、じゃあ大佐の息子かなアイツ。何かいけすかない感じ」



私は口を尖らせてそう言うと、再び張り付けにされたゾロへと視線を向けた
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