第1章 1
次の日。
ダヴィンチちゃんのところにも、どこにも清姫が居なかった。
もちろんカルデアにいることはもろもろの記録からわかるのだが、姿を見せない。
準備してるんだろうなぁと思うと、むずがゆくなる。私と「そういうこと」をするために姿を隠しているのだと思うと、何とも言えない…いけないことをしているような快感があった。
わくわくと心躍らせ、寝る時間を迎えた。いつもより早めの時間、お風呂は念入りに、体を綺麗にした。
初めてにあたって準備しておくものやことはあるかダヴィンチちゃんに相談したところ、やはり清姫の男体化はダヴィンチちゃんがどうにかしてくれたようだったが、「キミは何も心配しなくていいよ。そうだな、なんなら気合を入れた下着で床に就くといいかな?」なんて言われてしまった。
いつものように布団に入る。するとほどなくして、部屋の照明が消えた。ベッドサイドのオレンジのランプのみがついている。
そして、どこからともなく実体化し、ゆっくりベッドに乗り上げる影。
「ますたぁ…お待たせしました」
清姫と同じつの、同じ浅葱の長い髪をした、美しい男性が目の前にいるのだった。