第1章 1
「それでね、あの…清姫って女の子でしょ?その…やっぱ男の人との初めても緊急時じゃ嫌で…」
うまく言えなくてめちゃくちゃに言葉をつないでいるが、つまるところこうだ。
「清姫、ちょっとの間でいいから男の子になれない?」
我ながらなんというムチャぶり。でも零基…?とかいうやつをどうにかしたら、いい感じにできそうだという予想があった。
本人ができなくても、そう、ダヴィンチちゃんという奥の手がある。
突然の話に清姫は目を丸くするが、やっぱりダヴィンチちゃんのことを思いついたようで、少し考えているようだった。やがてにっこりと微笑み、
「ほかならぬますたぁの頼みですもの。清姫を選んでくださったこと、杏珍様に誓って後悔させませんわ」
そうしっかりと言い放った。
その後清姫に明日どうにかしますので今日はお眠りくださいと、頭を撫でられて眠ったのだった。