第6章 公園
学校から帰ってきたら駅でリヴァイが待っていて、そのまま二人で図書館に行き、ミルクティーを奢ってもらって自習して。そして家まで送ってもらう生活が一週間つづいた。
最初は戸惑っていたマヤも、リヴァイと一緒の放課後に慣れてきた。
学習室では ほとんど会話はないが、家までの帰り道では結構話すようになっていた。
リヴァイは常に不機嫌そうに見えるが、実は案外そうでもないことがわかってきた。すぐ舌打ちするし、何かと命令口調だけど、いつもマヤのことを考えてくれている気がする。
学校での何気ない出来事を、眉間に皺を寄せながら聞いてくれる。そしてマヤは、話し終わると聞こえてくるリヴァイの「そうか」のひとことを待ちわびるようになっていた。
そうやって帰る10分は、あっと言う間に過ぎてしまう。
……もっとリヴァイさんと話がしたい。いつしかマヤは、そう強く思うようになっていた。
そしてこの日、マヤは思い切って気持ちを言葉にしてみた。
「あの…、もう少し… お話しませんか?」
恥ずかしそうにそう言うマヤが立ち止まったのは、小さな公園の前だった。